朝ドラ「エール」では、第10週(6月1日より)で「船頭可愛いや(せんどうかわいや)」という曲が登場します。
「船頭可愛いや」は、主人公の古山裕一が作った曲です。
この曲のモデルは、裕一のモデルである、古関裕而(こせきゆうじ)さんが作曲されています。
「エール」に出てくる、「船頭可愛いや」の曲は、ドラマと実話とは違うのでしょうか?
今回は、「船頭可愛いや」について調べてみました!
船頭可愛いやってどんな曲?エールで10週目から登場!
『エール』の構造は『エヴァ』に似ている? 男性主人公の成長物語を描く朝ドラの試み(リアルサウンド) – Yahoo!ニュース https://t.co/UAkLLzNXKc #エール #朝ドラエール
— 朝ドラ「エール」の話題配信 (@asadra_NHK) 2020年5月25日
「船頭可愛や」と表記されてもいる、古関裕而さんの「船頭可愛いや」。
古関裕而さん作曲で、歌詞を担当されたのは、高橋掬太郎(たかはし きくたろう)さんです。
髙橋さんは、「エール」では、高梨一太郎という名前で登場されます。
「船頭可愛いや」は1935年7月に発売されました。
最初に歌ったのは音丸さんという女性歌手です。
昭和歌謡史アルバムのライナーノーツを歴史の読み物として愛読してた小学生時代を思い出す。そういやあのアルバムもコロンビア(劇中コロンブス)レコードだった。これから藤山一郎さんや音丸さんをモデルにした面々が登場すると思うと胸熱。三浦環は「はいからさんが通る」で知りました。#エール pic.twitter.com/lkrwtLxVwG
— 曲がり角の先50🐶 (@BBA31604041) 2020年5月12日
音丸さんは、老舗下駄屋の一人娘として1906年に生まれています。
子供の頃から美声だった音丸さんは、小唄を歌うようになります。
この音丸さんの才能を最初に、見出したのが古賀政男さんです。
「エール」では、裕一と同期の木枯正人(野田洋次郎さん)のモデルとなった方です。
音丸さんはその後、民謡を歌うようになり1934年にコロムビアと契約を結びました。
コロムビアは「エール」コロンブスレコードのモデルです。
「船頭可愛いや」は「新民謡」と呼ばれた当時としては新しいジャンルの歌です。
「新民謡」はいわゆるご当地ソングや企業などの歌のことで、広報が目的で作られた曲でした。
音丸さんがモデルとなった藤丸について「エール藤丸(井上希美)のモデルは音丸!船頭可愛いやと久志の恋は?」でもご紹介しています!
船頭可愛いや古関裕而作曲の誕生実話とは?三浦環も歌った?
実際にも大ヒットした「船頭可愛いや」は、音丸さん以外にも多くの歌手が歌っています。
まずは三浦環さんです。
「エール」で柴咲コウさんが演じる双浦環のモデルとなる歌手です。
新キャラ・世界的オペラ歌手・双浦環を演じる柴咲コウ、モデルは三浦環。ヒロイン・音(二階堂ふみ)が歌手に進むきっかけ。
三浦環 https://t.co/feGIT4VbCd pic.twitter.com/ltf8SdVPax
— ヘルベルト•フォン•スダヤン (@suda_yan) 2020年4月6日
作詞をしたのは、高橋掬太郎(たかはしきくたろう)さん。
髙橋さんは1901年生まれで、古関裕而さんが1909年生まれなので8歳年上になります。
高橋掬太郎さんは、北海道・根室に生まれて、地元の商業学校を中退した後に、根室新聞社に入社しました。
1931年に自ら古賀政男さんに作曲を依頼。
『酒は涙か溜息か』で作詞デビューして、藤山一郎さんが歌い大ヒットとなりました。
ちなみに、藤山一郎さんをモデルとしているのが、「エール」の山藤太郎(柿澤勇人さん)さんです。
山藤太郎については「【エール】柿澤勇人の演技は?山藤太郎は藤山一郎がモデル!」でも詳しくご紹介しています。
作詞家が自ら作曲家を選ぶという選択が当時からあったのですね。
その高橋掬太郎さんが古関裕而さんのデビュー曲「福島行進曲」を聞いて、気にいったんです。
古関裕而さん、高額契約金をもらっているのに、ヒット曲が出なくて、とてもあせっていたんですね。
また高橋掬太郎さんもその後大ヒットが出てなかったところへ、1935年、「船頭可愛いや」が誕生したのです。
音丸さんが歌った「船頭可愛いや」は大ヒットしました。
もう一人の歌い手さんの三浦環さんも、コロムビアのクラシック部門である、青レーベルからレコード化することに。
古関裕而さんも奥様の金子さんも、憧れの三浦環さんがカバーすることをとても喜んでいました。
以上が「船頭可愛いや」の実話です。
この曲は大ヒットしてからも、三浦環さんのほか、三橋美智也さん、美空ひばりさんなどもカバーされています。
この曲の大ヒットにより、古関裕而さんと高橋掬太郎さんは、コロムビアのドル箱と言われ、古関裕而さんの曲は日本中で親しまれるようになりました。
エール船頭可愛いやのネタバレは?ヒットするの?
ここからは、原作のネタバレをお伝えしますね!
「エール」では、「船頭可愛いや」はヒットせずに終わります。
そんな時に、木枯正人(野田洋次郎さん)から、作詞家の高梨一太郎を紹介された、裕一(窪田正孝さん)。
高梨は木枯とのコンビで「酒は涙か溜息か」を大ヒットさせた作詞家です。
裕一が作曲した「福島行進曲」を気に入り、自分の詩に曲をつけてほしいと依頼します。
こうして出来上がったのが「船頭可愛いや」でした。
廿日市(古田新太さん)はレコード化することに決めて、歌うのは藤丸(井上希美さん)です。
廿日市は、「福島行進曲」が売れなかった裕一に「最後のチャンスだ」と最後通告します。
ですが、またもやレコードは売れずに終わってしまい、裕一は、契約金の返済まで求められ、窮地に立たされます。
その話を聞いた双浦環(柴咲コウさん)は、「船頭可愛いや」の素晴らしさを知って、「私が歌う。」と言いましす。
環が歌うと決まったのですが、歌謡曲の赤レーベルではなく、西洋音楽のレーベルである青レーベルから、となります。
そこへ、青レーベルの重鎮、小山田耕三(志村けんさん)から待ったがかかったのです。
「自分の音楽」を認めてもらいたいがためだけに裕一さんが書いた『反逆の詩』
それを見た小山田先生が何を言うのか…
怖い…とても怖い…
小山田先生の眼差しが怖い…#朝ドラエール #エール pic.twitter.com/AmMuhIU0eJ— いねまき (@inemaki) 2020年5月18日
小山田は、自分の立場を脅かす、裕一という、新しい才能を恐れたのです。
双浦環は、小山田先生の思惑を見抜いていました。
そこで、彼女は周囲の反対を押し切ってレコードを発売します。
「船頭可愛いや」は発売とともに大ヒットとなりました。
次の小山田耕三の場面は、志村けんさんは登場するのかどうかも、ちょっと楽しみです。
出来れば、またお姿を見たいですね!
ということで、ヒット曲がない裕一に木枯や高梨、それに双浦環などが救いの手を差し伸べてくれました。
双浦環さんについては「【エール】柴咲コウのモデルは三浦環!双浦環のオペラは吹き替え?」でもご紹介しています!
下駄屋の娘・藤丸のモデル音丸や、藤丸を演じる井上希美さんについては「エール藤丸(下駄屋の娘)のモデルは音丸!船頭可愛いやと久志の恋は?」でもお伝えしています。
まとめ
今回は、エールに登場する、「船頭可愛いや」の曲についてまとめてみました。
「エール」に登場した子の曲は、実際に古関裕而さんが作曲され、大ヒットとなったんですね。
ドラマでも、裕一の書いた「福島行進曲」を気に入った売れっ子作詞家の高梨によって、初の大ヒットとなりました。
ドラマもいよいよ後半折り返しになりますが、続きが楽しみです。
最後までお読みいただきありがとうございました。